中学受験に向く子・向かない子 親野智可等先生

 

親からの質問コーナー

以前、『公立中高一貫校受検における作文対策はどのようにしたのか?』で

『親野智可等の自分で考える力がつく作文教室』

という作文の本を紹介をしたことがあります。

親野智可等先生は作文のエキスパートでありますが

とても多くの書籍を執筆している教育評論家で

ヤフーニュースにも記事が取り上げらているので

ご存じの方も多いかと思います。

その親野先生は

ベネッセ 教育情報サイト』に『教えて!親野先生』という

保護者からの質問に答えるコーナーをお持ちです。

 

学受験に向く子、向かない子

大学入試に英語4技能検定を利用するか否かという流れの中で

評判を落とした感のあるベネッセですが

教育情報サイトはしっかり作られています。

2年ほど前のものになりますが

中学受験に向く子、向かない子』についての回答を紹介します。

(この話題は個人的にずっと宿題になっています…汗)

 

中学受験に必要な5つのこと

親野先生は、

① 自己管理力が高いこと

② 子ども自身に目的意識があること

③ もともと勉強が好きで学力が高いこと

④ 体が丈夫で体力があること

⑤ 親に従順な子であること

の5つを中学受験に向いている(必要)と述べています。

公開されていますので引用させていただき、以下に抜粋して紹介します。

 

自己管理力が高いこと

『子どもたちには遊びも含めていろいろな誘惑があり、それに打ち勝って勉強しなければならないわけですから、自己管理力は必須です。』

『それは、つまり早熟で精神年齢が高い子でもありますし、言い換えると克己心が強いということでもあります。』

『自己管理力がない子は受験に向きません。やるべきことをやらずに、毎日叱られ続けるということになってしまうからです。これでは親子ともどもつらいです。』

 

子ども自身に目的意識があること

『「自分は将来○○の方に進みたい。そのためには、この学校でこういう教育を受けたい」とか、「□□学園の校風が大好きだ。ぜひ、この学校で学びたい」など、はっきりした目的意識がある子はがんばることができます。』

『中には、「みんなが受けるから」「中学受験がブームだから」「受験しないと負け組と思われるから」「親が受験しろって言うから」などの理由で受験する子もいます。』

『この場合は、子ども自身にはっきりした目的意識がないわけですから、がんばりがきかなくなる可能性が高いと言えます。』

 

もともと勉強が好きで学力が高いこと

『勉強が好きでよくできれば、当然のことながら受験勉強もがんばることができます。』

『逆に勉強が嫌いで学力も低いという場合、受験勉強を続けるのが苦痛になります。』

『もちろん、子どものレベルに合わせた学校を受験すればいいわけですが、それにしても勉強自体が嫌いだと苦痛な時間が長くなってしまいます。』

 

体が丈夫で体力があること

『受験するためには、毎日の勉強時間を増やす必要がありますし、多くの場合、塾に通うことも必要になるでしょう。』

『しかも長期戦です。それに耐えるためには、やはり体が丈夫で体力があることが求められます。』

 

親に従順な子であること

『自分がやりたいことをしっかり持っている子、つまり本当の意味で自立してる子は中学受験には向きません。』

『こういう子は中学受験には向きませんが、自分の人生を自分の裁量で大きく展開していける、将来有望な大物である可能性が高いと言えます。』

『自分がやりたいことがあっても、それを押さえて親の言うことを聞くような従順な子は、中学受験に向いています。』

 

今は勝負の時期ではない?

以上の5つをまとめて以下のように述べています。

『「目的意識もないし自己管理力もない。加えて勉強は大嫌い」という状態では、この先親子ともども大いに苦しむことが予想されます。』

『特に「男の子脳」の度合いが高い子は、苦戦が予想されます。』

『「男の子脳」の度合いが高い子は中学は公立に行って、高校受験で勝負した方がよい結果が出るかもしれません。』

『 高校受験するころには、もう少し自己管理力がついて目的意識も出てくるかもしれないからです。』

 

男の子脳

「男の子脳」についてなんとなくイメージすることができますが、

この記事の中ではしっかり説明してくれていません。

少し脱線してしまいますが

少しわかりにくいかもしませんので追記しますと

脳科学的に男の子は脳梁の密度が女の子ほど高くなく、

(脳梁=左右の脳をつなぐ神経線維の束)

右脳と左脳があまり連携していないため思ったことを言葉にするのが苦手で、

その代わり右脳・左脳、それぞれの処理能力が高く、

物事を俯瞰で見たり、合理的に考えることが得意だそうです。

親野先生は

『うろちょろ動き回って落ち着きがない、騒々しくて乱暴、話を聞かない、いつも上の空、同じことを何度言っても効果がない、やるべきことをやらない、イヤなことは後回し、やりたいことしかやらない、時間意識が希薄でマイペース、時間が来ても終われない、切り替えが下手、先を見通せないので段取りが悪い、人の気持ちや空気を読めない、意思の伝達が苦手、いつまでも幼稚、物の管理ができない、自己管理ができない…。』

などを「男の子脳」の特質と言っています。

元に戻ります。

 

近視眼的な弊害

『長い目で見られずに、親が近視眼的になっていると、受験の弊害ばかりを味わうことになってしまいます。』

『最大の弊害の1つが、勉強しない子や成績が上がらない子を親が叱りすぎてしまうことです。』

『これによって、子どもは自己肯定感がボロボロになり、自己否定感にこりかたまってしまいます 。』

『これは、伸びていく芽を子どものときに摘み取ってしまうということです。』

『同時に、叱られることで親に対する不信感が出てきて、親子関係の崩壊に至る危険もあります。』

『不信感を土台に親子関係をつくってしまうと、それが他者一般に対する不信感にまでつながることがあります。』

『つまり、他者不信感とか人間不信と呼ばれるものです。』

他者不信感とか人間不信は極端だと思いますが、

自己肯定感が育たない、ボロボロになることには異論がありません。

 

主体的に生きる

『親も子も、自分の人生に主体的に取り組むことが大切です。』

『親は「自分は、あるいは自分たちはどう生きたいのか?」を真剣に考える必要があります。』

『子どもも子どもなりに、「自分は何をしたいのか?どういう生き方をしたいのか?」を真剣に考える必要があります。』

『これからの時代は、変化のスピードがさらに上がる激動の時代になると言われています。』

『ブームや価値観も、コロコロ変わることでしょう。』

『その時のブームに流されていると、一生涯ずっと他人の価値観で生きることになってしまいます。』

『ですから、子どもたちが主体的な生き方ができるようにしてあげてください。』

『つまり、自分の生き方を自分で決める、自分がやりたいことを自分で見つけて実行できる、そういう生き方です。』

 

本当に向くのか向かないのか?そして、、、

親野先生が示した中学受験に向く5つの特性について

私自身はほぼ同意します。

5つの特性のうち一番異論が出る可能性があるのは

『⑤ 親に従順な子であること』かもしれませんね。

自立していて自分のやりたいことが受験勉強なら

必ずしも親に従順である必要はありませんから。

 

茨の道

親野先生が指摘する中学受験に向く子に

お子さんがまったく合致しなくても

「わが家(の息子・娘)は中学受験する!!」

というご家族は茨の道を突き進む覚悟が必要かもしれません。

いや、必要だと断言できます!?

(F)

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