「二月の勝者 -絶対合格の教室- 第2巻」
作:高瀬志帆
第2巻
ついに出ました!第2巻です。帯には、挑発的に「受験は課金ゲームです。」と書いてあります。
第2巻は、第8講~第17講(第8話~第17話)になり、6年生「三月」のエピソードでまとめられています。各講が短く、セリフが少ないのであっという間に読み終わります。
ネタバレしてしまうとおもしろくなくなってしまいますので、印象的なセリフと感想だけを書きます。
第9講 「三月の集合」
「塾に通うだけではまた上がらない成績」
「なのに増えていく月謝」
「そしてこれだけ金をつぎ込んで引くに引けない状況」
これがまさに課金ゲー!というかなんというか…(汗)。ゲームに例えるなら、クレーンゲームで獲れそうで獲れず、獲れるまで続けて、結局とんでもないお金を使ってしまった、でしょうか?獲れれば(合格できれば)いいですが…。イマイチの例えか…f^_^;)
個人的には、受験では必ず「撤退戦」を考えておく必要あると思っています。長い目で子どもの人生を考えたうえで「名誉ある撤退」の選択の可能性は残しておくべきだと思います。
第12講 「三月の邂逅」
「あいあかわらず上位校にのみこだわった指導をしているようだけど、12歳のその先の人生のことまで考えているのかな。」
『の』連続はご愛嬌(^^ゞ
塾(と塾の講師)は、生徒の12歳までの人生しか考えないのは仕方がないと思います。塾ではそれ以上のことを考える余裕はないでしょうし、塾は中学に入学させることによって評価されますから、そこの集中するのは批判できません。12歳よりあとの人生を考えるのは本人と親だと思います。
第13講 「三月の相違」
「150万円。6年生の生徒が一年間に塾に落とす金額です。」
月謝、春期講習、夏期講習、強化ゼミ、模試などなど、特に6年生は150万円よりもっとかかりそうですが、実際はいかがでしょうか?
第15講 「三月の不一致」
「子どもに「課金」して、クソ強いキャラに育てよーとして何が悪い。」
これがこの巻の一番のセリフかも?(苦笑) 課金してもレアキャラが出てこない!どんなに課金しても!
結果が出ないと虚無感だけが残る、ただのムダ金だった気がしてくる、そのように親が思ってしまう受験は子どもにとって極めて不幸ですね…。
第16講 「三月の慟哭」
「塾講師は「教育者」ではなく、「サービス業」です。」
第12講の12歳以降の人生を考えるか?と同様、学校と異なり、塾はある一定の結果を得るためサービスを提供するという理解の仕方は「あり」だと思いますが、通塾していない人間が言うな!と言う声が聞こえてきそうな…(^^ゞ。
第17講 「三月の変化」
「算数を制する者は中学受験を制します。」
やはり算数(笑)。
参考文献
25冊ほどいわゆる受験本が列記されています。あの桜井さんの著作もありますが、西村則康先生の本が一番多いですね。
この中で私が購入して読んだ本はちょうど10冊でした。そういえば、この中ではおおたとしまささんの本は読んだことがりませんね。機会があったら、読んでみましょうか。
私見
結局、塾なし受験をした我が家とは少し状況が違いますが、中学受験を経験した方や真っ只中の方(家族も含む)にはリアルに感じて、「あるある」でしょうね。
同じ学校(併設型一貫校)でも中学と高校の偏差値が大きく違いますが、その理由の説明もあるので、高校受験組(とその家族)も読んだ方がいいかもしれません。
おそらく本当は子ども思いの塾長の背景や、まっすぐな性格で時にはその塾長に反発する新人講師の成長も含めて、今後の展開が楽しみなマンガです。
第3巻が発売されたら購入して、またレビューします。
このままのペースで各巻が各月になるようでしたら、「二月」は第13巻になるのでしょうか?
(F)