私立校のICT教育 -N高校と静岡聖光学院-

 

N高校

唐突ですが、N高校をご存じでしょうか?

なに?アニメの高校?と言われそうな学校名ですね(笑)。

出版社であるKADOKAWA(さかのぼると角川書店ですね)と

IT企業であるドワンゴが設立した通信制高校です。

KADOKAWAの持つコンテンツとドワンゴが持つ技術力を活用して

旧来の教育を変えようとしている、いわゆる「ネットの高校」です。

 

盛りだくさん

N高校は

「IT×グローバル社会を生き抜く“創造力”を身につけ、世界で活躍する人材を育成する。」

ことを目標に

「教養=自分なりの考えをもつための知識」

「思考力=知識を使って考える力」

「実践力=考えを行動に移す力」

の三本柱を教育方針としています。

N高校の公式サイトを見ると、さまざまな選択肢が示されていて、

とても魅力的な高校に感じてしまいますね。

実際はどうかわかりませんが、さすがうまく作っています。

 

一つの指標としての進学実績

N高校の二期生の進路実績を見ると、大学進学が約15%、

専門学校が約40%、就職が約29%、未定が約16%です。

大学に進学する生徒は少数派ですが、

まだ二期生が卒業したばかりにもかかわらず

東大、京大や早慶などへの進学実績もありますので

N高校流のICT教育は(そういうものが実在するかどうか不明ですが)

少なくても大学進学希望の生徒に対して機能しているようです。

 

静岡聖光学院

今日、取り上げるもう一つの学校は、静岡聖光学院です。

静岡聖光学院は神奈川の聖光学院の兄弟校になります。

神奈川の聖光学院は言わずと知れた超難関進学校ですね。

ちなみに野球が強い福島県の聖光学院は無関係です。

静岡聖光学院はラグビーに力を入れている学校で

部活は週3日、1日1時間程度と決められているにもかかわらず

花園に出場するのでときどき記事になって注目を集めています。

3月18日のBUSINESS INSIDERの記事、

休校中でも授業は継続、静岡聖光学院が「一気にICTに振り切れた」ワケ

によるとその静岡聖光学院は

新型コロナウイルス感染症の拡大により休校になった後

iPadをWi-fi環境で使用して「オンラインで学校機能を継続」 しています。

 

具体的な運用は

具体的にどのように運用しているか記事に紹介されています。

毎朝のHRの前には「Googleフォーム」を利用して11項目の健康チェックを実施。

授業や課題については「iTunesU」で映像・データを配信。

ホームルーム(HR)や教師・生徒間の面談については「ZOOM」で実施。

オンラインHRは毎日朝と夕方の2回実施し、

普段の学校生活と変わらないペースを維持することを目指しているとのことです。

 

自宅が学校になる

静岡聖光学院の場合、タブレット(iPad)を使用するので

自宅にWi-Fi環境が整っていることが前提になりますが、

(今の時代、Wi-Fi環境にない家庭は少ないと思いますが…)

ネット環境を整えさえすれば、理論的には世界中の学校の授業を

自宅で受けられる可能性を秘めていることを再認識させられます。

 

ICT教育がもたらす未来

静岡聖光学院の校長先生によると

『オンラインでこれだけできるのなら、学校いらないんじゃない?』

と生徒がつぶやいたそうです。

その話が事実か否かは確認できませんが、 まさにその文言通りです。

ICT教育は、単に「パソコンやタブレット端末、インターネットなどの

情報通信技術を活用した教育手法」ということではなく、

その背後には真の学校の価値や存在意義、

生徒自身の学ぶ姿勢が問われることを肝に銘じておく必要があります。

(F)

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