【書評】わが子に教える作文教室 清水義範 講談社現代新書

『わが子に教える作文教室』 (講談社現代新書)

著者:清水義範

公立中高一貫校対策

私立中学受験ではほとんどの場合関係ありませんが(最近は募集定員の一部で適性型の試験を採用する学校もありますが・・・)、ガン子がまだ公立中高一貫校を志望していた時に作文の本を何冊も読みました。

作家

『わが子に教える作文教室』の著者は、作家の清水義範さんです。

「なぜ作家が作文の本を?」

それはご兄弟の関係で小学生の作文指導を十数年していたからでした。そのような背景に興味を持ち、新書で手に取りやすかったため、いわゆる中学受検作文対策の一環で最初に読んだ本です。 “【書評】わが子に教える作文教室 清水義範 講談社現代新書” の続きを読む

【書評】二月の勝者 -絶対合格の教室- 第1巻

「二月の勝者 -絶対合格の教室- 第1巻」

作:高瀬志帆

 

話題の中学受験マンガ

前回書評を書いた「中学受験をしようかなと思ったら読むマンガ」の作画の高瀬志帆さんによる塾目線からの中学受験マンガです。最初に『君たちが合格できたのは、父親の「経済力」そして、母親の「狂気」』というなかなか刺激が強いセリフから始まります。 “【書評】二月の勝者 -絶対合格の教室- 第1巻” の続きを読む

【書評】中学受験をしようかなと思ったら読むマンガ

「中学受験をしようかなと思ったら読むマンガ」

漫画:高瀬志帆 原作:小林延江

ムック本

中学受験業界(というものがあるのか?苦笑)で話題騒然の漫画「二月の勝者」の作者である高瀬志帆さんが漫画を描いているムック本です。

これ1冊で「親のすること」丸わかり!と表紙に書かれているとおり、地元の公立中高一貫校を受検しようと考え始めた時に特別付録の「公立中高一貫校を大解剖!」も目当てに購入しました。 “【書評】中学受験をしようかなと思ったら読むマンガ” の続きを読む

優しいお母さんでいられるはずがない

ガン子が6年生になる年の2月に何とか追いついた受験講座。

ここまで順調に進んだかと言えば、そんなことはあるはずもなく3日に1回くらいは戦争が起こります。

まず、小学5年の秋まで子どもの成績なんて小学校でもらってくる通知表と、夏休みの面談で告げられる学年初めの市のテストの結果、先生の評価でしか知ることがなく、模試なんて受けたこともありませんでした。

底辺公立小学校では優等生気取りだったガン子は、図書室で本を借りることが楽しみで、休み時間は図書館。借りた本の数は学校で2位。趣味は読書。宿題もきっちりこなし、なんとなーくそれなりに良い成績を取り、先生からの評価も悪くありませんでした。

そんなわけで自分の子どもはそんなに勉強ができないわけじゃないだろうと勝手に思い込んでいました。

それが一緒に勉強を始めてみたら驚愕することばかりです…。

そもそも問いの意味がわからない。

『問3. 問2の気体の性質として正しいものを選びなさい。』

なんて問題では「問2の気体って何?」と聞いてくる。「問2で答えた気体だよ、その性質を選ぶんだよ」おいおい、そこからかい、と突っ込みを入れたくなる…。

漢字の書き取りでは、全体の文章を読まないで傍線部だけ読んで答えようとするのでトンチンカンな答えばかり。「場が白けてしまった」を何の疑いもなく「しろける」と読む。

あなたはいったい本の何を読んでるんでしょうね??

本をたくさん読む=国語ができる、読解力が身に付く

ではないことをこの時初めて知りました。

計算だって2ケタ同士のたし算すら暗算できないどころか、筆算でも間違う始末。筆算の線を定規で引くガン子に、「そんなことしてたらいくら時間があったって終わらないよ?」と言っても「学校では定規で引かないとダメなんだよ!」と言い返してくる。

(余談ですが、一度先生に伺ってみたいと思っていたのですが、筆算の線を定規で引くと何かいいことがあるのでしょうか??きれいなノートになるってことなんでしょうか?とてつもない無駄なことを強いてる気がするのですが…)

そんなこんなで、ガン子が小学校5年の終わりに近づいたころに自分の子どものあまりのできなさ加減に直面した訳です。

「もう、定規で筆算するのやめなさい!」「なんでこんな漢字が読めないの!?」「これ5分前にも説明したでしょ!!」と、感情的になってきます。

おそらくご近所からは少しおかしいお母さん、もしくは虐待を疑われているんじゃないかと思っています。

そして少し冷静になって反省し、次からは穏やかに…なんて思っていても1分前にやったことすら思い出せない!

受験勉強を語る上で必ず「エビングハウスの忘却曲線」の話が出てきます。記憶がどのくらいの速さで忘れられていくかと言う実験のお話ですが、20分後に42%、1時間後では56%、1日後に約70%、1ケ月後には79%が忘れてしまうという結果が出ているため、記憶が低下してきた頃に復習をすることで忘却の速さを緩やかにすることができるというものです。

ガン子の場合はこれが当てはまらないんじゃないかとずっと思っていました。

そもそも忘却曲線に乗るような記憶がないのです。

今話したことも覚えていない。これは相当イライラします。イライラしすぎて死ぬんじゃないかと何度も思ったほどです。

そして3日に1回、「もう辞めなさい!!」となるわけです。

そしてガン子は必ず、「やだ、辞めない。やる。」と言い、ひたすらこの繰り返しでいい加減バカらしくなってきます。

ちょっと前まで折った折り紙の裏に「お母さん、大好き」なんて書いてしょっちゅう持ってきてくれていたのに、そんなこともう絶対にありません。日に日に嫌われていきます。

勉強に付き合ってこれは割に合わない。優しいお母さんで、楽しくおだやかに勉強できたらいいのにと思ってはいるのですが、なかなか難しいのが現実です。

受検一年前

地元の中高一貫校は試験日が1月上旬なので、2017年1月には受検一年前という日を迎えました。

そのときの勉強の進度がこちら。

親の心境としては、あと一年もない!のに、いまだに塾の宿題だけで終わる日もあり、受験講座も追いつかない…。

受験講座はあと1ヶ月分、というところまで進んできてはいましたがとにかく未習分野を無くしたい一心なので反復、定着を図っている時間はありません。

5年生の受験講座は、算数、社会、理科は3つのステージから構成されていて、例えば算数の12月号だと速さ、比、相似の3分野を学習します。受験講座のテキストで新しい分野を学習し、それに対応したワーク(受験講座の演習問題)をやって、赤ペン先生の問題を提出するという感じで進めてきました。この頃、国語は全く手をつけなかったので1ヶ月分を2週間くらいで終わらせていました。

そして首都圏私立中学校受験の1年前。2月の上旬に、やっと受験講座2月号に取りかかることができました!

実感として、「模試の成績が上がった!」とか「宿題のペースが速くなった!」といった進歩をガン子から感じることはできませんが、親子で一緒に勉強する事でガン子の得意不得意、何が分かっていないのか?何に時間がかかっているのかと言うことがよく分かってきました。

特に算数は計算の仕方に問題がありました。

どんな簡単な計算でも筆算をしたり、何円の3割引きはいくら?のような問題では、普段から買い物で何割引きはいくら、なんて計算をしている母とは違いぼんや〜り生きているせいか、何円に0.7をかければ良い、と言うことがわからずに何円の3割の値段を出してから何円から引いてみたり…。

計算を少しでも簡単にする工夫ができませんでした。

小学校で習う、12を10+2にして計算する「さくらんぼ計算」すらできないのか、知らないのか、やろうとしないのです。

これが少しでも出来るようになれば、算数はもう少し伸びるんじゃないのかな、どうしたら改善するかな、理科は物理の分野が嫌いなんだな、なんて考えるようになったのは母にとって大きな進歩だったかもしれません。