新型コロナウイルス感染症による特需へ?
新型コロナウイルス感染症が世界的に流行して、日本では大都市圏を中心に小学校から大学まで休校とされています。年度始め、新学期となるこの時期、子どもたち、学生たちに外に出ないで家でずっとゲームでもしていなさいと言うのは非現実的で、学校での授業に代わる何らかの対応策の必要に迫られています。
最近は私立学校を中心にタブレットを使用した教育、いわゆるICT教育が行われるようになってきていますが、すでにタブレットを導入している学校ではオンライン授業が行われたり、クラウドサービスを利用した課題提出が行われているようです。
ICT教育に熱心な学校
ガン子の首都圏中学受験を決めたあとに、我が家はなるべく多くの学校説明会や合同説明会に行くことにしました。金銭的、スケジュール的にかなり大変でした…汗
説明会に行くにあたって私がしたことは、学校案内などを見て校風に好感を持った、あるいは、持てそうな学校や、日能研の偏差値表(受験日ごとの)を見てスケジュール的に受験する可能性がある学校を抽出しました。
地方在住の身ですから、中にはそれまで校名すら知らなかった学校もありました。抽出してみると、それこそ偏差値表の上から下までになってしまいました。
当時の私には自分の娘が受験生の中でどれくらいの立ち位置にいるかよくわからず、どれくらい学力が向上していくのか、あるいは、向上しないのか想像もつかなかったので、抽出した学校は結構な数になってしまいました。それからは学校説明会や合同説明会のスケジュールを調べて、1日でたくさんの学校を回ることができる日に東京まで出向きました。
そんな中で大妻中のように学校説明会でICT教育に前向きだなと感じさせられた学校がいくつかありました。その後、さらにICT教育に積極的な学校も増えたはずです。政府もICT教育を推進していますし、これも時代の要請なのでしょう。
ICT教育の功罪
どんなものにも功罪はありますが、ICT教育にも功罪(メリット・デメリットと置き換え可)があります。
親の金銭的な負担とハードの機械的な問題はひとまず功罪から除外します。
功罪を考えるうえで注意しなければいけないのは、先生側と生徒側とでは別の答えになることです。たとえば、先生は授業で使用する教材の共有、加工や再利用が容易になり、教務の効率化が図れますが、これは生徒とは直接的には関係ありません。
生徒側から視点では、
反復学習がしやすい
試行錯誤や推敲しやすい
生徒の適性や進度に応じた学習をしやすい
映像、動画やアニメーションによる視聴覚的な教材を利用できる
などが「功(メリット)」として挙げられます。
逆に生徒側の「罪(デメリット)」について考えると、タブレットなど端末を使用する生徒のインターネットリテラシー(ネットリテラシー)が低いと末路が「残念」になることが一番の問題だと思います。
ネットリテラシーが低いと
ネット上の情報を鵜呑みにしやすい
セキュリティが甘い
プライバシーに無頓着
の傾向が強いと言われています。
ICT教育を行っている学校では、Wi-Fi環境下でクラウドサービスを使用しているはずです。ネットリテラシーが何たるかを十分に理解していない生徒が、ネットリスク(インターネットを使うことにより生じるリスク)と、遊興(You Tubeなど)に走る心配は常に付いて回ります。
取材常連校
実際、学校での運用はどのようになっているのでしょうか?
日経ビジネスの「コロナ・エフェクト ウイルスで変わる社会」の中に
『「学校の役割変わる」オンライン授業を始めた静岡聖光学院の挑戦』
という記事がありましたので紹介します。
静岡聖光学院は首都圏の学校ではありませんが、今回の新型コロナウイルス禍にいち早くICT教育で対応して、多くのマスコミから取材を受けている学校です。校長先生はラグビーのU17日本代表の監督を務めたことがある方で、戦略家なのかもしれません。
この記事によると同校は授業やホームルームではZoom、課題はiTunesUを使用しているそうです。
こちらの学校は、iPadを使用しているようなので、iTunesUという選択もうなずけます。
クラウドサービス
タブレットなどを利用したオンライン授業では、この静岡聖光学院学校のようにZoomなどのクラウドサービスを利用する必要があります。
クラウドサービスにはシステム障害のリスクやセキュリティの問題がともないますから、いくつもの「保険」をかけておく必要がありそうです。言わずもがな。
次回 その2 に続きます。
(F)