【書評】受験のプロが教える中学受験 親・子・塾の“三位一体”合格法

「受験のプロが教える中学受験 親・子・塾の“三位一体”合格法」

著者:櫻井頼朋

乱読

これまで何回も偉そうに書評を書いていますが、少しでも多くの情報が欲しくて乱買・乱読した本を振り返っているのが現実です。子どもの成績や状況などによって本に何を求めるかが変わってくるので、同じ本を読んでもある人にとっては有益なことが書いてあったと感じても、別の人には全く役に立たなかったということもあると思います。我が家は地方都市で塾に通わず受験勉強をしていて、とにかくさまざまな情報が乏しかったので、何か良い情報があるかも・・・と後先を考えずに次から次へと買い物かごに入れてしまったため読むのが大変でした(汗)。

著者

さて今回はZ会エクタス/栄光ゼミナールの先生の本です。

題名から想像できるとおり親・子・塾が三位一体になって合格を目指す方法の本です。えっ!我が家は違いますね。親(母)・子・親(父)の三位一体!?

共感

こちらの本で共感したのは、 第5章 中学受験、算数で差がつく です。個人的には算数ができなければ中学受験では勝負にならないと思っているからです。男子は女子に比べて算数が得意な子が多いのでできないと差をつけられる、女子は男子に比べて算数が苦手な子が多いので逆に差をつけることができる。その考えのもとで、ガン子の勉強では算数に一番時間を割きました。もともとダメダメの娘でしたが、おかげで首都圏模試では算数の偏差値が65以下のことはなく(最高74、平均すると70くらい)、日能研の模試でも後半に大崩れしても55を下回ることはありませんでした。ある時、本人が「日能研の模試の回答欄を埋めるのが快感だ」と言い放ち、その成長ぶりで親を驚愕させたことがあり、一時期は算数1科目受験を考えたほどでした。

内容

第1章 これが現実だ:中学入試の番狂わせ3大要因は、①入試傾向の大きな違い(過去問の解析)、②「合格」「不合格」の結果(結果が精神的に大きく左右)、③直前45日間の過ごし方(実力アップのラストスパート)

第2章 情報収集こそ親の役割:志望校選び、入試問題から学校が求めている生徒像を探る、付属高か進学高か、合格併願7作戦

第3章 これで差がつく 心構え編:厳しさと思いやり(付かず離れず上手に子離れ)、不注意によるミスを減らす法(①生活習慣、②健康状態、③精神状態)、集中力のつけ方、テスト結果の活用法、追い込み期のリズムを崩す3大要因、合判テストを終えてからの合格に導く接し方、入試直前の過ごし方

第4章 これで差がつく 実技編:わが子の実力はどのあたり?つもり人間にならない!、基礎学力は日常生活から、ノートの取り方、学習計画の立て方、得点に結びつく学習法、テストの受け方、入試で問われる4つの力と攻略法、4科目の特性と復習法、夏休みを制する者入試も制す、過去問の取り組み方、ラストスパートの学習法

第5章 算数で差がつく:中学入試における算数の重要性(四谷大塚が出したのデータを示し、合格者平均と受験者平均の差が算数が最も大きい)、算数を得意にする方法(読解力、思考力、計算力)、算数指導法(式をたてて教えない)、再挑戦ノート、解く力と正解する力は違う、思考力を身につける法、途中式の3つの必要性、木を見て森を見ずにあらず、洗練された算数の力

第6章 学年別指導法:小学1年生までの家庭での接し方、小学2・3先生の家庭での接し方、小学4年生の間に身につけさせたい習慣と接し方、小学5年生の間に身につけさせたい習慣と接し方

第7章 注目される公立中高一貫校:結果を出し注目される公立中高一貫校、公立中高一貫校入試対策

付録 中学受験をした親子の体験談

私見

この本の「はじめに」に書いてありますが、「学問に王道なし」、まさにその通りだと思います。「奇をてらった手法の学習スタイルではなく、多くの卒業生の実績が証明した古典的な学習を科学的に工夫して進めていくための具体例」を示されていて、右も左もわからず中学受験を考えた時、最初に手に取る1冊として最適だと思います。

(F)

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