中学受験で成功する子が10歳までに身につけていること 村上綾一著

「中学受験で成功する子が10歳までに身につけていること」

著者:村上綾一

疑問に対する解答

受験勉強を始めて(結局終わるまで…汗)、ガン子のあまりの不出来を嘆きつつ、一方で自分たちがしてきた教育が間違っていたのだろうと考えて、これまで何が足りなかったのか?という疑問に対する解答を追い求めていました。受験勉強とは直接関係ないようで実は何かのヒントになるかも知れないと思い、子育て、幼児教育の本を読みあさった中の1冊が今回の本です。

著者

著者は理系専門塾の代表です。20年におよぶ中学受験の指導経験をもとに、子どもにやるべきことをやり、する必要のないことはしないというシンプルで効果の高い学習をしてほしいと願い、本書にまとめたそうです。この本では、将来を見据えた土台作りとして、10歳までに身に着けて欲しいことを76項目列挙しています。

親にしかできない2つのこと

親にしかできない2つのこととして勉強の習慣作りと環境作りを挙げています。まさにおっしゃるとおりだと思いますが、簡単にできそうでなかなかできないから、みんなが苦労しているのだと思います(苦笑)。

内容

以下が章別の内容です。

第1章 低学年のうちに取り組みたいこと

小さい頃から生き物に触れておく(⇒観察力、比較、分類)、どんどん絵を描かせる(⇒観察力)、「しつけ」が学力を左右する!?(⇒学力につながる最大の武器、時間厳守・整理整頓の習慣化、正しい日本語力)、早起き、この日やることを決める、習い事(⇒課題をこなし上達する体験、適度な緊張感から生まれる集中力)、家の外でも勉強できる(⇒買い物、旅行)、外遊びでストレスに強くなる など

第2章 低学年のうちにやってはいけないこと

先取り学習、競争を避けること、無意味にほめる、否定的な口ぐせ など

第3章 低学年での勉強のしかた

親子と子の正しい読書、説明文に挑戦する、毎日少しの日本語を書く、10歳までの計算練習、算数はパズルから始める、一人きりで勉強させない、勉強場所より勉強の中身、積極的に勉強する姿勢は家庭で作る、子どもが「先生」親は「生徒」 など

第4章 高学年での勉強のしかた

丸つけと解き直し、少しでも「毎日」必ず勉強する、「勉強しなさい」と言っていい、かけ算・わり算も暗算させる、壁に地図を貼る、理想の睡眠時間、「もう少しがんばる」は危険信号、苦手の科目の伸ばし方、お父さんの大切な役割 など

第5章 親の疑問にお答えします

Q&A式で、テレビ、ゲーム、スマホ、習い事、塾、読書、中高一貫校のメリット、付属校と進学校、共学と別学、通信教材 など

第6章 学力別・科目別 勉強のコツ

算数、国語、理科、社会、英語の勉強のコツが書かれています。

第7章 成功するために家庭でできること

夫婦で教育方針を決める、学校や塾に任せること、子どもとの距離感を意識する、正しいほめ方と成功体験とは、論理思考をムリなく身につけるには、高学年でつまずかないために、「受験のための勉強」にしない など

終章 本当に大切なこと

権利と義務を教える、子どもはいつまでも子ども、教育ママ・教育パパになろう

私見

この本の前半には、著者が、中学受験で成功するために10歳までに身につけておいて欲しいと思うことが書かれています。第5章の考えには私としては賛同できないものもありましたが、第7章~終章は著者の考えが一番表現されていると思いました。

「おわりに」に書いてある『すべてを実践しなくてはならないと考えないでください。すべてに取り組んだら子育てが窮屈になってしまいます。』という言葉から著者の優しさを感じる本です。

(F)

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