【書評】中学受験 偏差値20アップを目指す逆転合格術

「中学受験 偏差値20アップを目指す逆転合格術」

著者:西村則康

著者

著者は、昨日紹介した「もう悩まない中学受験」の小川先生と「中学受験基本のキ!」を共同執筆している西村先生です。西村先生は指導歴25年以上のカリスマ家庭教師(兼塾ソムリエ)ですから、ご存知の方も多いことでしょう。

こちらの著作は、2017年10月30日に出版されたもので、ガン子の勉強のスタイルや方針がすでに固まっていた時期でしたが、西村先生の著作ということと、「偏差値20アップ」という文言に騙されて(!?)購入して読んでみました(笑)。

先生の指導してきたお子さんは必ずしも優等生ではなく、切羽詰まった状況にいた子が多く、偏差値30~70と幅広かったそうです。実際にラストの1年で偏差値を20上げてしまう子や、本番目の模試で合格可能性が25%でも逆転合格した子など豊富な指導経験から、つまずきを感じている家庭向けの解決策を中心に書かれています。

内容

以下は簡単な内容です。

1章 中学受験はみんな「ギリギリ合格」

まず最初に、「塾に行かずに中堅以上の私立中高一貫校に合格する子とはありません」と断言されていて我が家は爆死です(苦笑)。理由は明快。中学受験で出題される問題は、学校で勉強する内容と大きくかけ離れた非常に高度な内容だからと書いています。まさにのその通りですね!f^_^;) ならば、親が高度の内容を教えるしかない!というのが我が家の状況でした(溜息)。精神面の成長が早い子が中学受験に有利、また、スムースに伸びていくのは素直な子と書かれていて、まさにその通りだなぁと思いました。ガン子はいずれも当てはまらず、指導する親は大変苦労しました。

この章の題名である、中学受験はみんな「ギリギリ合格」は確かにそう考えることもできるとポジティブにとらえるのが良いと思いました。

2章 [4年生]からの大逆転術 「聞く力」と「正しい復習」がカギ

「小学校の100点」は中学受験では通用しない、中学受験で求められる九九とは、の2つはウンウンとうなずきました。

3章 [5年生]からの大逆転術 ここから「本当の理解」が必要になる

5年生の勉強はそれまでと別物だと考える が一番印象に残りました。「中学受験をやめる」という選択 の中の「中学受験がすべてではありません」は身につまされる一言でした。

2章、3章は、我が家には時すでに遅しでした…。

4章 [6年生]からの大逆転術 「アウトプットする力」が合否を決める

模試の解答用紙とメモ跡が語る点がとれない理由、失敗を招く併願校の選び方、過去問の正しい使い方、の3つは、我が家は少し違うアプローチを採りましたが、プロの考えを知ることができました。

5章 つまづきを解消する勉強のポイント ここがわかれば一気に伸びる

まず最初の算数では、中学受験は算数で決まる、ハイ!わかってます! 次の国語では、中学受験の国語は語彙力で決まる、もちろん、わかってます! それに続く理科と社会の勉強のポイントもオーソドックスな内容でした。どん底からの逆転ストーリー⑤は、奇跡は準備したものにだけ起こる!と信じさせるものでした。

6章 逆転合格を実現できる親の心得

よその子の成功談はわが子には当てはまらない、中学受験で得た喜びは一生の宝の2つが、今振り返ってみると我が家としては最も実感したものでした。どん底からの逆転ストーリー⑥は、中学受験の結果だけが人生のすべてではない!という好例でした。

私見

この本を読んで、書かれている内容を実践することで偏差値20アップが実現できるかどうかはわかりません。しかし、先生の長期に渡る受験指導経験をから、客観的に、時には主観的に(おそらく…、もしかしたら逆かも!?)、受験生と親に対して、優しいまなざしで語りかけるように書かれている本だと感じました。個人的には受験本ではオススメの1冊です。

(F)

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